【収録時間】
58分43秒
【内容解説】
無価値感については6月にセミナーをして今は動画として販売されてますが、そちらはゴリゴリのワークショップであり、無価値感を本気で癒したい方向けになっております。
*動画配信/DVD:「無価値感を癒して今の自分に自信を持つためのワークショップ」
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/45220
今日お話しするのは“応用”と付いている通り、無価値感がどう私たちの人生に影響を与えているか?という点に着目していこうと思います。
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かつて「ワーカホリック/ハードワーカー」なクライアントさんがわんさかカウンセリングに来られてた時期がありました。
土日もない、平日も深夜まで仕事しているのが当たり前、という方々。
体調を崩しても気合と根性で頑張ってきた方々。
そんな方々が仕事の合間を縫って、あるいは、上司から命じられて、あるいは、彼女・彼氏から心配されてカウンセリングにお越しになってくれました。
かくいう私もけっこうその気がありましたので大いに共感しつつ「何があるのか?」を見て行きました。
すると意外や意外、「無価値感」という感情が出てきたのです。
仕事をバリバリやって成果を上げて、いい報酬をもらって、それなりにいい生活をしている彼ら・彼女らの中に「自分は愛される価値がない」という感情が眠っているなんて見えません。
しっかりした表情や立ち居振る舞い、言葉遣いをして、むしろ自己肯定感が高く、自信にあふれているように見えることもあります。(多少、疲労の色は見えるものの)
で、「なんでそんなに仕事ばかりしてしまうんだろう?」
そこには意外な心理が隠れていました。
「仕事で成果を残さないとここに居られなくなる」
「仕事を頑張ってるからこそ、自分は周りから必要とされる」
「自分は価値のない人間だから、人の何倍も頑張らなければ」
「仕事で結果を出せば居場所を与えてもらえる」
「オフィスに行けば自分の席があり、やるべきことがある」
「仕事をしていない自分に何ら価値を感じられない」
つまり、本質的には自分に自信がなく、心の真ん中にぽっかり穴が開いていて、その穴を埋めるべく「仕事」を押し込むのです。
だから、実際はワーカホリックまでは行ってないけれど、上記のような思いを持つのであれば、ワーカホリック予備軍と言ってもいいかもしれません。
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ここで「ワーカホリック」についてもう少し説明しておきたいと思います。
上に紹介した典型的な例は分かりやすいのですが、「残業もほとんどないホワイト企業」や「専業主婦」の方々もワーカホリックな心理を持つことがあります。(とはいえ、専業主婦はかなり忙しい職種ですけれどね。)
仕事は18時に終わって、土日もきちんと休めるのだけど、「ずーっと仕事のことが頭から離れない」という方。
「自分はお金を稼いでいないから」という後ろめたさ(罪悪感)もあり、何かと家事を見つけてはやっていて休む暇を自分に与えていない方。
そんな方々も立派なハードワーカーであり、ワーカホリックと言えるんです。
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一方、「プレイボーイ/プレイガール」のみなさま。
異性からモテモテで、一人では飽き足らず、何人も恋人らしき存在を作るプレイボーイ/プレイガール。
そりゃあ自分に自信あるでしょう?じゃなかったらそんなにモテないもんね。という世間の声がこだまする中、実はその心の中に「無価値感」を持っているんです。
「自分なんて愛されるわけがないから、複数の人と付き合うことで保険をかけている」
「一人の人を本気で愛して捨てられたら絶望している。」
「異性から求められることで自分の価値を感じる。だから断れない。」
「結局誰も自分のことなんて愛してくれなくて、セックスする相手はたくさんいても常に孤独感でいっぱい。」
つまり、異性から必要とされる、求められる、愛されることで「自分の価値」を証明しようとしているのですが、でも、無価値感からその愛を受け取れないので、数ばかり増やしてしまう、という心理があるようです。
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そういうわけで「ワーカホリックもプレイボーイも心理的にはおんなじなんだよね」という話をすることになるんです。
どちらも自分に自信がありません。
だから、自己肯定感もいうほど高くありません。
「必要とされる」「求められる」という他人軸な生き方が板についています。
成果を上げたとしても全然幸せじゃありません。
また、そんな自分の心の中を誰も理解してくれないと思っていて孤独感に苛まれます。
そして、無価値感なんて感じたくないから、こうした心理にご本人たちはほとんど気付いていません。
むしろ、自分に自信を持ってる!くらいの自覚もあります。
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ワーカホリックもプレイボーイも思春期頃にその端を見ることができるようです。
・孤独な時代を過ごしていた。
・大失恋をしている。
・両親との葛藤があり、家があまり幸せじゃなかった。
・受験などで激しい競争を繰り広げていた。
・自立が早く、感情を抑圧しがちだった。
・友達があまり多くなく、一人で過ごすことが多かった。
そうした問題を抱えながらある人は仕事に、ある人は異性に活路を見出だした結果、ワーカホリックやプレイボーイ/プレイガールとなっていくようです。
だから、両面を持っている方も少なくないでしょ?
ワーカホリックでプレイボーイ/プレイガールという方。
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無価値感というのは罪悪感と並ぶ2台巨頭と言っていいほどの問題を作り出す感情で、やはり幼少期の親子関係にその原因を見ることができます。
ただ、親から愛されなくて無価値感を育んだケースだけでなく、親から愛されても自立が早かったために競争心が根付いていたり、親から愛されていたがゆえにその親を支える立場になり「子ども時代に子どもができなかった」というケースもあったりします。
また、思春期にトラウマを抱えることもあり、強い劣等感、疎外感、孤独感を覚えるできごとがあることも多いですね。
競争に敗れたり、いじめられたり、周りの人とうまく関係を築けず孤独になっていたり。
そうすると心理的には「自分の居場所」を求めるようになっていきます。
「自分を必要としてくれる相手」が必要になるんです。
しかも、一人では満足できないというか不安なので、何人も必要としちゃいます。
仕事で圧倒的な成果を残すことで自分の居場所を確保しようとするのです。
「男は裏切るけど、仕事は裏切らない」という名言を残したクライアントさんもいますが、まさにそんな感じですね。
そうして「自分の価値を“外”に求める」ようになったのです。
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無価値感からワーカホリックになり、プレイボーイ/プレイガールになるのは、自分の中にある孤独感、自信のなさ、そして、無価値感そのものを癒すためです。
だから、周りの人には
「この人、仕事はできるんだけど・・・なんか自慢話が多い」
「確かに成果は残してるけど、何かと張り合ってくる」
「上から目線でやたら命令してきて、他人をバカにしてるように見える」
「相手の気持ちをあんまり考えられない、結局は自己中な人」
「一緒にいても全然つながりを感じられず、寂しいこともある」
「承認欲求がすごく強いし、いわゆるナルシストかと思うことが多い」
みたいな印象を与えるものです。
そう言われると皆さんの周りにもそんな人、思い付きませんか?
無価値感が強いなんてあんまり感じませんよね?
言われてみれば「なるほどー」という感じでしょうか?
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そうした無価値感を癒していくにはそもそものルーツを探ったり、親子関係(特に母)を見つめ直したりすることが重要で、単に自分の価値を認めよう!と思っても長年の習慣からなかなかうまく行きません。
無価値感を癒すためにハードワークをし、プレイボーイになったのに、逆にそれが余計に無価値感を強める結果になっているからです。
ということで、この無価値感を癒すにはじっくりと時間をかけて自分の内面を見つめ直すことが必要なんです。
そもそもそれくらい仕事ができたり、異性にモテたりするってことは実力も魅力も価値もいっぱいあるんですよね。
でも、それが受け取れないのは「自分の価値を認めてもらいたい、ただ一人の人物」がそこにいるからなんです。
それが母親だったり、父親だったりするのです。
だから、本人が「母親なんて大嫌いだ」「親父は最低な人間だ」と思っていても、実は「母親以外に自分を愛させない」「父親以外に自分を認めさせない」というマインドを持っていることはめちゃくちゃ多いんです。
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